V奪還を目指す阪神の25年シーズンが開幕した。今季開幕戦は4-0で完封勝利。緊張感の中で投打がかみ合い、締まった展開でつかんだ勝利だった。一方で他球場に目を向けると、昨季セ・リーグ王者巨人は5点差をひっくり返して逆転勝利。ライバル球団はそのまま波に乗り、開幕3連勝を決めていた。劇的勝利から流れに乗った連勝に、かつて梅野隆太郎捕手(33)に聞かせてもらった話がふと思い浮かんだ。

「やっぱりその試合は確かに今思い返したら、すごく野球の怖さを感じた。なかなかこう波に乗っていけなかったというのは正直あるかな」

梅野が思い返すのは3年前の記憶。22年、ヤクルトとの敵地開幕戦だ。当時は阪神が5回終了時点で7点リード。大勝スタートを誰もが予想した中で、まさかの大逆転負けを喫した試合となった。チームはその後も流れに乗れず、開幕9連敗を喫していた。

「チームが乗っていけないというか、『いつか勝てるだろう』が勝てないとか。やっぱり足をすくわれたというのはある」

開幕戦だからこそ特にインパクトがあったが、シーズン中には何度でもあり得るケースでもある。「それがどこで来るかという怖さもある。逆に勢いがあって連勝になったり、逆の立場もある」とも話していた。

悪夢のような連敗を経験し、「流れ」の強力さも怖さも、身を持って知った。投手にサインを出し、グラウンド上の監督ともいえる捕手のポジション。チームの悪い流れを食い止めるために大切なこととは…。梅野は「守り抜くことよ」と即答だった。

「粘り強くすること。ずっとキャッチャーをしていて、やっぱり連敗した時の1勝のしんどさは、どこの場面も忘れられない。連敗している時って『なんでこうなるんだろう?』と考えても結果が出ない。1勝の大変さを肌で感じているからこそ、大事なことを、やれることをしっかりやっていくことが大事」

チームは1日DeNA戦(京セラドーム大阪)で敗戦し、今季初の連敗を喫した。それでもナインには、酸いも甘いも味わった経験が備わっている。地に足をつけ、できることに集中する。軸をぶらさず戦うことが、シーズンを戦う上で大切なのだと教わった。【阪神担当 波部俊之介】

22年4月、巨人対阪神 巨人に負けを喫し9連敗を喫した阪神
22年4月、巨人対阪神 巨人に負けを喫し9連敗を喫した阪神