「更年期障害」を和らげるホルモン補充療法をご存知ですか? 薬の種類や効果も医師が解説

更年期症状の軽減には、エストロゲンを補充するホルモン療法が有効です。エストロゲンの補充方法には、飲み薬、貼り薬、塗り薬、腟錠などいくつかの選択肢がありますが、それぞれに特徴やメリットがあります。ホルモン療法の選び方について、「ショコラウィメンズクリニック」の木崎先生にお話を伺いました。
編集部
エストロゲンはどのようにして補充するのですか?
木崎先生
大きく分けると、「経口剤(飲み薬)」と「経皮吸収型製剤(貼り薬、または塗り薬)」があります。それぞれ特徴が異なるので、適切なものを選択します。また症状によっては、腟に錠剤を深く挿入する腟錠を使う場合もあります。
編集部
それぞれの投与方法に、どんな特徴があるのですか?
木崎先生
飲み薬は腸管から吸収され、肝臓を通過したあとに効き目が現れる薬です。投与が簡単で、どこでも持ち歩きできて便利というメリットがあります。
編集部
そのほかの投与方法はいかがでしょうか?
木崎先生
貼り薬は、成分が皮膚から直接血管に吸収されることで効果が現れます。張り替えるタイミングは薬によって異なり、1週間に2回張り替えが必要なものと、2日に1回張り替えが必要なものがあります。塗り薬も皮膚から直接血管に成分が吸収されて効果が現れるもので、基本的に毎日塗る必要があります。それから腟錠は、症状によって投与のタイミングが異なります。
編集部
選び方のポイントは何でしょうか?
木崎先生
飲み薬は手軽で簡単というメリットがありますが、その反面、長期に服用すると胃腸や肝臓に負担がかかる人もいます。そのため、一般的には塗り薬や貼り薬の方が副作用が少なくておすすめとされています。
編集部
では、塗り薬や貼り薬を選択するのが良いのでしょうか?
木崎先生
必ずしもそうとは限りません。体質的にかぶれやすい人や、皮膚が弱くてアルコールが苦手という人もいます。また、貼り薬は冷蔵保管のものもありますので、ライフスタイルによっては使用が難しいこともあります。あるいは、人によって「飲み薬の方が飲み忘れることがなくて楽」ということもあります。このように、患者さんによってご希望が異なるため、その人に合わせた薬剤を使用します。
編集部
実際の投与方法はどのように決めますか?
木崎先生
子宮があるかどうか(子宮を摘出しているかどうか)、閉経からの経過年数など、一人ひとりの状況によって投与方法は異なります。例えば子宮のある人は、子宮体がんを予防するためにエストロゲンに加えて黄体ホルモンも一緒に使用します。また、エストロゲンと黄体ホルモンの両方を一度に補充できる貼り薬もあります。詳しくはかかりつけ医にご相談ください。

監修医師:
木崎 尚子(ショコラウィメンズクリニック)
※この記事はメディカルドックにて<更年期障害の治療法『ホルモン補充療法(HRT)』副作用や薬の選び方は? 【婦人科医が解説】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。