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【医師に聞く】ストロング系チューハイは他のお酒よりアルコール依存症になりやすいのか?

 公開日:2025/02/18
アルコール依存症

手軽に酔えるストロング系チューハイですが、アルコール依存症になることはないのでしょうか? ウイスキーや日本酒のような高アルコール飲料と比べても、ストロング系チューハイは特に危険なのでしょうか? そこで、医師の佐藤将人先生にストロング系チューハイとアルコール依存症の関係について解説してもらいます。

編集部編集部

ストロング系チューハイのアルコール度数の高さが危険なことはわかりました。しかし、ウイスキーや日本酒などさらにアルコール度数が高いお酒もある中で、ストロング系チューハイはより体に悪いお酒なのでしょうか?

佐藤 将人先生佐藤先生

ほかのお酒と比較して、ストロング系チューハイがより危険なお酒かどうかについては、現時点では研究結果が多くないのではっきりとはわかりません。しかし、ほかのお酒と比べてストロング系チューハイは一般的に飲み切るサイズの1缶350〜500mlの時点で1日の節度ある適度な飲酒量を超えてしまうため、単純に多量のアルコールを一度に摂取できてしまう容易さという点では、ほかのお酒より体に悪いかもしれません。

編集部編集部

では、アルコール依存症のリスクという視点では、ストロング系チューハイはほかのお酒よりも危険性が高いのでしょうか?

佐藤 将人先生佐藤先生

ほかのお酒と比較して、ストロング系チューハイを飲むとアルコール依存症になりやすいかどうかについてもはっきりとはわかっていません。しかし、あくまで可能性ですが、ストロング系チューハイを飲む人の多くは、お酒自体を楽しむ目的よりも手軽に酔っ払う目的で飲む人が多いかもしれません。例えば、仕事や家庭のストレスを解消したい、夜眠れないからお酒を飲んで寝たい、イヤなことを忘れるために手っ取り早く酔うために飲みたいなどですね。要するに、お酒を楽しむというよりもお酒の力で色々なことから楽になりたいという欲求でストロング系チューハイを飲んでいるケースです。このような場合には、お酒の良くない力にどんどんと引き込まれて、物質依存症の一つである「アルコール依存症」になりやすい可能性があります(3、4)。

編集部編集部

では、ストレスや嫌なことから逃げる目的で手っ取り早く酔うためにストロング系チューハイを飲むのはやめたほうがいいでしょうか?

佐藤 将人先生佐藤先生

はい、ストレスや辛いことから一時的に楽になりたいと思って、手っ取り早く酔うためにストロング系チューハイを常用することはやめたほうがいいでしょう。もちろん、ストレスや嫌なことから逃げることは恥ではなく、時には人生に役立ちます。しかし、お酒に逃げてしまうとアルコール依存症になって人生がよりつらいものになってしまうかもしれません。そのため、逃げるなら趣味や筋トレに没頭したり、気軽に話せる人に相談したりするなどして、くれぐれもお酒に頼らないように気をつけてください。

佐藤 将人

監修医師
佐藤 将人(SUGAR LLC)

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「健康的に豊かに生きる」を理念に人的資本経営コンサルティングを手がける企業SUGAR代表医師。宮城県仙台市を拠点に、社員の心身のメンテナンスや企業の組織運営などの経営を支援する事業を展開。医学の知見を生かし肉体改造してシックスパックを達成したり、精神心理的知見からメタ認知的活動に従事。東北大学医学部医学科卒業、日本医師会認定産業医、中小企業診断士、労働衛生コンサルタント(保健衛生)臨床心理士、JSPO公認スポーツドクター、日本肝臓学会専門医、日本外科学会専門医、元仙台市食育推進会議委員、ヴィーガン。

参考文献:
(3)e-ヘルスネット「アルコールとうつ、自殺」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-006.html

(4)e-ヘルスネット「アルコール依存症」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-016.html

※この記事はMedical DOCにて【「ストロング系チューハイ」が体に悪い理由3選! ストロング系チューハイがやばい理由を医師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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