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「前頭側頭型認知症の治療法」はご存知ですか?予防法も医師が徹底解説!

 公開日:2025/02/15

前頭側頭型認知症とは?Medical DOC監修医が前頭側頭型認知症の治療法・予防法などを解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「前頭側頭型認知症」の症状・なりやすい人の特徴はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

村上 友太

監修医師
村上 友太(東京予防クリニック)

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医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、抗加齢医学専門医。日本認知症学会、日本内科学会などの各会員。

「前頭側頭型認知症」とは?

前頭側頭型認知症とは、主に初老期(50代~60代)に発症し、前頭葉と側頭葉を中心とした神経細胞の変性・脱落により、常識を欠くような異常な行動や無気力・無関心などの精神症状、言語障害などがみられる認知症です。
アルツハイマー病や加齢性認知症などとことなり、初期には記憶障害があまりないことが多く、また動作のぎこちなさ(パーキンソニズム)や筋力低下(運動ニューロン症状)など様々な症状がみられることもあります。
前頭側頭型認知症には、大きく分けて行動障害型前頭側頭型認知症、意味性認知症、非流暢性失語と3つの病型があり、病型ごとに症状が大きく異なります。記憶障害が主体となる一般的な認知症のイメージとは大きく異なった認知症で、症状によっては前頭側頭型認知症と認識されずに精神疾患を疑われて治療を受けることもあり、注意が必要です。
本記事では、前頭側頭型認知症がどのような病気かを解説いたします。

前頭側頭型認知症の治療法

前頭側頭型認知症は現時点で疾患特異的な治療法がなく、症状の進行を抑えることは困難です。治療には非薬物的な介入や症状に応じた対症療法が重要であり、介助者による協力が不可欠です。

適度な運動

ウォーキングなどの有酸素運動を行うことは精神的な安定化と認知機能の維持に役立ちます。また前頭側頭型認知症はパーキンソン症候群に含まれる一部の疾患や筋萎縮性側索硬化症と同様の病理変化のある疾患であり、進行すると運動機能の異常も出現します。運動機能の維持に関してもバランス訓練などを含めた理学療法は効果的です。

言語療法

言語療法やコミュニケーション補助具の使用は、進行性失語の症状のある方において会話の能力の維持に寄与します。また嚥下機能を維持するためにも有用です。

認知行動療法

問題行動に関しては、問題となる行動がどのようなときに起きるかなどをよく観察し、問題となる行動を開始する前に気をそらしたり、別の行為をさせたりすることで予防できる場合があります。前頭側頭型認知症では同じ行動を繰り返し行う(常同行動)場合がありますが、問題となる行動習慣を、他の行動習慣にきりかえることで介護負担が軽減することがあります。

前頭側頭型認知症の予防法

前頭側頭型認知症の予防方法は確立していません。肥満や生活習慣病のある方、脳卒中や外傷性脳損傷の既往のある方で発症する割合が多いことから、これらを予防することが予防につながる可能性はあります。

適度な運動やバランスのとれた食事を行う

適度な運動やバランスの取れた食事などで肥満や生活習慣病の予防を行うことで、前頭側頭型認知症の発症を予防できる可能性があります。また脳卒中や心筋梗塞を含むその他の病気の予防にもつながります。暴飲暴食を避ける、生活リズムを整えるなど、健康的な生活習慣を目指しましょう。

頭部外傷を避ける

交通ルールを順守する、バイクや自転車などに乗るときにはヘルメットを正しく装着する、頭部を強く強打しうるスポーツ(ボクシングやラグビーなど)を控えるなど、頭部に強い衝撃を受ける状況を作らないことで、発症を予防できる可能性があります。また、強い頭部打撲は前頭側頭型認知症に限らず、若年性認知症のリスクとなるため、注意しましょう。

「前頭側頭型認知症」についてよくある質問

ここまで前頭側頭型認知症について紹介しました。ここでは「前頭側頭型認知症」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

前頭側頭型認知症を発症した場合、家族はどのようなサポートが必要ですか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

適切なサポートを行うためには、まずは前頭側頭型認知症という病気についての理解を深めることが重要です。特に、行動障害型前頭側頭型認知症では脱抑制や非社会的行動,常同行動,食行動異常などの問題行動がみられ、周囲の方とのトラブルも起こしやすいことから、介助者の負担はより大きなものとなります。介護保険などの社会サービスを利用しながら、病気を理解し、患者をよく観察することで患者の状態に応じた個別のサポートができることが望ましいです。

編集部まとめ

前頭側頭型認知症は50代~60代と比較的早期に発症する認知症の一つです。問題行動や常同行動などが目立つ行動障害型前頭側頭型認知症と進行性認知症に分類され、特に行動障害型前頭側頭型認知症では、軽犯罪を繰り返す、同じ動作を繰り返し行うことにこだわる、怒りっぽくなるなどの問題行動が目立つようになり、周囲から孤立してしまったり、介助者に多大なる負担がかかったりします。
予防法、治療法は確立しておらず、診断を受けた場合も対応に苦慮する病気ではありますが、病気への理解を深め、適切に社会サービスを利用しながらよりよい生活を目指しましょう。

「前頭側頭型認知症」と関連する病気

「前頭側頭型認知症」と関連する病気は8個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

頭部外傷の病気

  • 脳震盪
  • 外傷性脳挫傷

神経変性疾患の病気

行動障害型前頭側頭型認知症では、問題行動が目立つようになり介助者に大きな負担がかかります。1人で悩まずに早めに専門家へ相談することをお勧めします。

「前頭側頭型認知症」と関連する症状

「前頭側頭型認知症」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 非社会的な行動をする
  • 我慢ができない
  • 同じ行動を繰り返す
  • うまく話せない
  • おかしなものを好んで口に入れる
  • 痴漢や窃盗などの軽犯罪をしてしまう

これらの症状が見られる場合には、早めの医療機関への受診をお勧めします。

この記事の監修医師

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