- ポスト
- みんなのポストを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷
国連総会(193カ国)は10日、パレスチナの国連加盟を支持し、加盟勧告を求める決議案を否決した安全保障理事会に再検討を求める決議案を賛成多数で採択した。投票した加盟国のうち日本を含む143カ国が賛成、米国やイスラエルなど9カ国が反対、25カ国が棄権した。国際社会の総意が示された形だが、正式加盟には安全保障理事会による勧告が必要だ。常任理事国の米国の反対が続く限り、見通しはたたない。
安保理では4月、パレスチナの加盟勧告を求める決議案が採決にかけられたが、米国が拒否権を行使して否決された。
総会の決議案はアラブ諸国を代表してアラブ首長国連邦が提出した。パレスチナは国連憲章に基づく国家としての加盟資格を有し、国連加盟が認められるべきだと明記。パレスチナ国家の樹立を前提とする「2国家解決」への揺るぎない支持を確認した。米国の拒否権行使で安保理の勧告が妨げられたことに「深い遺憾と懸念」も示した。
また決議の付属文書では、パレスチナが国連総会で中東問題以外でも発言することを認めるなどの「特権」も認めた。ただし、「例外的に」と強調されており、外交筋は「台湾の加盟問題を抱える中国などへの配慮だ」とみる。
米国のウッド国連次席大使は投票後の説明で「2国家解決」への支持を強調しつつ、国連の場ではなく「当事者間の直接交渉を通じて達成されるべきだ」とする従来の主張を繰り返した。米国連代表部は「安保理で再検討しても、同じ結果が予想される」としており、拒否権の再行使を示唆している。
欧州諸国は対応が割れ、英国やドイツなどは米国と同様の理由で棄権する一方、フランスやスペインなどは賛成に回った。日本の志野光子・国連次席大使は「イスラエルとパレスチナは共に、平和的かつ独立した国家として存在する権利がある」と賛成理由を語った。米国の同盟国である韓国や豪州も賛成した。
パレスチナは2011年9月に正式加盟を申請した。当時も米国の反対により安保理での審議は棚上げにされ、代替策として12年の国連総会で「オブザーバー国家」に格上げされた。パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘による人道危機が深刻化する中、24年4月に加盟の再検討を要請した。【ニューヨーク八田浩輔】
【時系列で見る】
-
休戦案巡るイスラエルとハマスの対立点とは? 交渉妥結へ糸口見えず
7日前 -
米国務長官、イスラエルは「国際人道法違反」と指摘 ラファ侵攻懸念
7日前 -
米議員、日本への原爆投下をまた正当化 イスラエル自衛権主張で
7日前 -
米国、ラファ侵攻自制でイスラエルに機密情報提供か 米紙報道
8日前 -
渋谷で「民衆蜂起」 反戦訴え 在日パレスチナ人らが抗議デモ
9日前 -
ユダヤ系大口献金者がバイデン氏批判 イスラエルに爆弾供与停止
9日前 -
「イスラエルが国際人道法違反の疑い」 米政権が報告書
9日前 -
怒りのイスラエル大使 演説中に国連憲章をシュレッダーで細断
9日前 -
イスラエルがラファの作戦拡大を決定 ハマス「交渉は振り出しに」
9日前 -
国連総会がパレスチナ加盟支持の決議案を採択 安保理に再検討を要請
10日前 -
国連パレスチナ機関の東エルサレム本部に放火 安全確保へ一時閉鎖
10日前 -
米の「兵器供与停止」にイスラエル猛反発 両国妥協できず亀裂
10日前 -
米国連大使の卒業式スピーチ中止 ガザ停戦「拒否権」に学生反発
10日前 -
ガザ休戦交渉「一時中断」 イスラエル・ハマス代表団、カイロ離れる
10日前 -
ガザ地区ラファ、戦闘続く区域に住民か 主要病院の一つが稼働停止
11日前 -
バイデン氏「イスラエルへの兵器供給やめる」 ラファ本格侵攻で
11日前 -
イスラエル、ハマス受諾の休戦案拒否 アメリカに方針伝える
11日前 -
ガザ休戦交渉、双方の溝埋まらず ラファでは戦闘続く
11日前 -
米のイスラエルへの弾薬供給停止、ラファでの使用懸念か 米報道
12日前