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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から2年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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ロシア軍攻勢、国境を越えてウクライナ東部に 1キロ進軍、戦闘続く

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ロシア軍のミサイル攻撃で破壊された建物=ウクライナ東部ハリコフで2024年5月10日、ロイター 拡大
ロシア軍のミサイル攻撃で破壊された建物=ウクライナ東部ハリコフで2024年5月10日、ロイター

 ロシア軍は10日、ウクライナ東部ハリコフ州に新たな攻勢を仕掛け、ウクライナ領内に進軍した。ロイター通信などが報じた。11日時点では国境付近で戦闘が続いているという。ウクライナのゼレンスキー大統領は露軍が「作戦を拡大しようとしている」と述べ、同州で部隊を増員する考えを示した。

ハリコフ州 拡大
ハリコフ州

 露軍は前夜から国境近くのハリコフ州北部ボウチャンスクを激しく空爆。10日早朝に地上部隊がウクライナ領内に侵入した。ウクライナ軍高官はロイター通信の取材に対し、露軍がウクライナ領に約1キロ進軍したと明らかにした。米シンクタンク「戦争研究所」の分析によると、露軍は同州で複数の集落を掌握したとみられるという。

 ゼレンスキー氏は同日夜のビデオ演説で「我々の戦士、砲撃、ドローン(無人機)が占領者を迎え撃っている」と述べ、ハリコフ方面の国境と前線に「さらに兵力を追加する」と表明した。

 露軍は最近、ウクライナ国境のロシア南部ベルゴロド州に部隊を集結させており、ハリコフ州への攻勢の可能性が指摘されていた。ウクライナ軍高官は、10日に掲載された英誌エコノミストのインタビューで「ロシアは1~2カ月後に状況が悪化するとわかっている」と述べた。欧米からの武器が到着するまでの間を狙った可能性がある。

 ウクライナ東部の前線では露軍が支配地域を徐々に広げ、ドネツク州の要衝チャソフヤールを巡り攻防が続いている。露軍はハリコフ州で新たな戦線を開いてウクライナ軍の兵力を分割し、東部での戦闘を有利に進める狙いもあるとみられる。【ベルリン五十嵐朋子】

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