東海大福岡の高2自殺 母「あまりにひどい犯罪行為」 地裁初弁論

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亡くなった侑大さんの写真を前に、記者会見する母親=福岡市中央区で2024年5月10日午後0時17分、志村一也撮影 拡大
亡くなった侑大さんの写真を前に、記者会見する母親=福岡市中央区で2024年5月10日午後0時17分、志村一也撮影

 東海大付属福岡高(福岡県宗像市)の2年生の男子生徒(当時17歳)が2021年3月に自殺したのは、剣道部内でのいじめが原因の一つだったとして、生徒の母親が、加害者とされる上級生4人に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が10日、福岡地裁(加藤聡裁判長)であった。母親は意見陳述で「いじめを超えたあまりにひどい犯罪行為」と訴え、上級生側は請求棄却を求めた。

 亡くなったのは侑大(ゆうだい)さん(名字は非公表)。

 訴状などによると、侑大さんは1年生だった19年4~6月、所属していた剣道部の部室で4人から粘着テープで両手足を畳に貼り付けられ、下着を脱がされてわいせつな行為をされるなどし、21年3月10日にいじめ被害を訴える遺書を残して自殺した。4人のうち1人は強制わいせつの非行内容で家裁送致され、2年間の保護観察処分となった。侑大さんの命日に合わせ、母親が24年3月10日付で提訴した。

 母親側は裁判で4人の行為は「自死に至らしめるほど強い精神的苦痛だった」と主張。母親は意見陳述で時折、声を震わせながら「絶対に許すことはできない。侑大にしたことは悪いことだったと心に刻み、忘れずに生きてほしい」と訴えた。

 上級生4人は、いずれも出廷しなかった。

 母親は閉廷後に開いた記者会見で「侑大は『伝えてくれてありがとう』と言っていると思う」などと涙ぐんだ。

 侑大さんの自殺を巡っては、学校設置の第三者委員会が、上級生たちの一部の行為をいじめと認定した一方、自殺の直接的な原因は特定できないと判断。遺族の要求を受け、県が再調査を進めている。【志村一也】

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