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ソニーは「着るエアコン」を本気でビジネスにしようとしている 新作はどう進化したか、実機をチェックする小寺信良のIT大作戦(1/3 ページ)

» 2024年05月10日 13時00分 公開
[小寺信良ITmedia]

 2021年に開発者にインタビューした、ソニーの着るクーラーこと「REON POCKET」。すでに認知度も高まっているので詳しい説明は省くが、背中に装着することで冷気・暖気を感じさせ、涼しさ・暖かさを得るというウェアラブルデバイスだ。

「REON POCKET 5」

 2020年にクラウドファンディングで登場すると、一気にヒット商品になっていったわけだが、例年この時期に新モデルが出る。本連載でも「3」「4」とその進化点に着目してきた。

 そしてまた今年、4月23日に「REON POCKET5」が販売開始となった。形状がほとんど変わらないのに毎年毎年それほど進化点があるのかと思われるかもしれないが、どこも手掛けていない分野だけにやれることがまだまだあるようだ。今回もサンプルをお送りいただいたので、実機を比較しながら進化点をチェックしてみたい。

 REON POCKETは、バッテリー持続時間が初期モデルからの課題で、日常使いの場合、途中で継ぎ足し充電や、モバイルバッテリーを併用しなければならなかった。

 そこで前作「4」のときにバッテリー容量を2倍に増強し、連続使用時間は「レベル1」で9時間、「レベル4」で4時間を達成。節約すれば仕事中はほぼ動作できるぐらいまでになっていた。

 今回の「5」ではバッテリー容量はそのままで、さらに吸熱性能が従来比1.5倍、駆動時間1.8倍となっている。冷却モードはもう一段階積み増して「レベル5」までとなり、駆動時間は4時間。「レベル4」なら7.5時間、「レベル1」なら17時間となり、無理に節約しなくても問題なく1日使えるだろう。

 同一バッテリーでそんなに効率を上げられたのには、当然理由がある。

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