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ヤングケアラー

通学や仕事をしながら家族の介護をする子ども「ヤングケアラー」。将来が左右される深刻なケースも。

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「ヤングケアラー」保護者9割否定 親子間で認識隔たり 大分市調査

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 大分市は、市内の小中学生に家族の介護や世話をする「ヤングケアラー」であるかなどを尋ねたアンケート調査を初めて実施したところ、家族に病気や障害を抱える人がおり、「週3回以上、家族の世話をしている」と回答した子供が2~3%いたと公表した。また、自身を「ヤングケアラー」と認識する子供の保護者の約9割が「ヤングケアラーではない」と否定するなど、親子間で認識のギャップがあるという実態も浮き彫りとなった。【神山恵】

 調査は、市が5年ぶりに子供の生活実態を把握するため、2023年8月10日~9月14日に実施。今回初めてヤングケアラーに関する質問を加えた。調査対象は5歳、小学5年生、中学2年生の各保護者だが、小5と中2には本人にも回答を求めた。回答率は、保護者が全体で78・3%(6172人)、小5は91・2%(2431人)、中2は85・2%(2233人)だった。

 「同居家族に病気や障害のある人や介護が必要な人がいる」と回答したのは、小5で181人、中2が157人。うち小5で88人、中2で55人が週3回以上家族の世話をしているといい、全体に占める割合は小5が3・6%、中2は2・5%だった。

 また、自身をヤングケアラーと認識している小5は55人、中2では30人だった。一方でその保護者は、小5で約96%、中2で約87%が「自分の子はヤングケアラーに該当しない」と回答。親子間に認識のギャップがみられたが、市はこうした状況を「ヤングケアラーとお手伝いの違いを正確に理解しておらず、混同している可能性がある」と分析した。

 このため、市はヤングケアラーの定義を周知していくとしている。だが、国が子ども・若者育成支援推進法の改正案の中で初めて示した定義も、介護や世話を「過度に行っていると認められる子ども・若者」とあいまいなため、市には詳細な実態調査の早期実施が求められそうだ。

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