建造中の北極研究船「みらいⅡ」を初公開 27年に観測航行へ

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北極域研究船「みらいⅡ」の完成予想図=海洋研究開発機構提供 拡大
北極域研究船「みらいⅡ」の完成予想図=海洋研究開発機構提供

 海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、建造中の北極域研究船「みらいⅡ」(全長128メートル、幅23メートル)の一部を報道陣に初公開した。2027年夏に北極域での観測航行を目指している。

 厚さ約1・2メートルの氷を砕きながら進む能力を備え、来年度で引退する研究船「みらい」では不可能だった北極点付近までの到達が夏季であればできるという。レーダーやドローン、無人潜水機などを使い、気温上昇率が地球平均の約3倍と高く、気候変動の影響が顕著な北極域の大気や海洋を多角的に観測する。

 約60人の研究者や技術者を含む計97人が乗船できる。JAMSTECの赤根英介・北極域研究船推進部長は「海外からの乗船も呼びかけ、海上の国際研究拠点として発展させたい」と語った。

北極域研究船「みらいⅡ」の建造現場=横浜市磯子区のJMU横浜事業所磯子工場で2024年4月19日、田中泰義撮影 拡大
北極域研究船「みらいⅡ」の建造現場=横浜市磯子区のJMU横浜事業所磯子工場で2024年4月19日、田中泰義撮影

 建造が行われているのは、横浜市磯子区のジャパンマリンユナイテッド(JMU)横浜事業所磯子工場。船体を複数のパーツに分けて造った上で最終的にドックで組み立て、25年3月に進水させる。

 今回、公開されたのは船底部。海氷と接する部分の摩擦を低減させて燃費を良くするよう、鋼材表面をステンレスで覆う工夫が施されていた。

 引き渡しは26年11月を予定し、運用期間は30年程度を見込んでいる。総建造費は約339億円。【田中泰義】

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