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静岡県の川勝平太知事(75)は在任最終日の9日、県庁で退任記者会見に臨み、JR東海がリニア中央新幹線の2027年開業を断念したことについて「南アルプスの水資源確保とリニア事業の両立を図るという4期目の公約に一つの区切りがついた」と改めて語った。
川勝氏は冒頭、8分間にわたり手元の紙を読み上げながらリニアを巡る環境問題や国の有識者会議での検討内容を説明。「工事自体に黄色信号がともった。強引に進むのかとどまるのか、まさに岐路に立った」と持論を展開した。
また、4月にJR東海が長野や山梨での工期の遅れを公表したことにも触れ「昨年までは静岡の遅れだけが繰り返し強調された。隔世の感がある。JR東海の姿勢が一新された」と振り返った。
今後、政治活動を続ける可能性については「ありません」と即答。「仙人になるんで」と続けた後で「私の住まいは森の中、小鳥とお話して過ごす……」と、小林一茶にまつわる童謡の替え歌を披露した。
川勝氏は4月1日の県庁の新入職員への訓示で「県庁はシンクタンク。野菜を売ったり牛の世話をしたり、モノを作ったりとかと違って基本的に皆さま方は頭脳、知性の高い方たち」などと発言。職業差別に当たるとの批判が高まり、翌2日に辞意を表明していた。【最上和喜、丹野恒一、田中綾乃】