二宮金次郎像を市が入札で売却へ 最低価格1万円 兵庫・三木

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
兵庫県三木市が売却を予定している二宮金次郎像=同市提供 拡大
兵庫県三木市が売却を予定している二宮金次郎像=同市提供

 閉校した市立小学校に設置されていた青銅製の二宮金次郎像を兵庫県三木市が一般競争入札で売却する。近代、苦労して勉学に励む範として全国の小学校に相次いで建立されていたが、金次郎(尊徳)の出生地・神奈川県小田原市尊徳記念館は「自治体が売却する例は珍しい」としている。

 金次郎像は台座を含む高さ100センチ、重さ23キロ。まきを背負いながら本を読み歩く一般的なスタイル。児童数減による統廃合で2022年3月に閉校した旧東吉川(ひがしよかわ)小に1959(昭和34)年設置された。三木市が関係者らに聞き取りなどをしたが、設置に至る経緯などは不明という。

 尊徳記念館などによると、金次郎は修身(道徳)の教科書に登場したこともあり、大正時代から戦前にかけ、有志らが小学校に建立するのがブームに。戦中は兵器の原料として供出された。

 近年は学校統廃合や像自体の老朽化、教育方針にそぐわないなどの理由で姿を消しつつある。別の場所に移設される他、放置されたままのケースも多い。金次郎をまつる報徳二宮神社(小田原市)はそうした像を引き取って所蔵・展示する活動に取り組んでおり、多いときで年2、3体送られてくるという。

 旧東吉川小の像は三木市役所で一時保管している。市財政課の担当者は「移設するにしても費用がかかる。廃棄するのであれば購入した方に活用してほしいと考えた」と話す。

 最低価格は1万円。21日まで入札参加の申し込みを受け付けている。現物下見会も予定している。【入江直樹】

あわせて読みたい

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月