韓国、少子化対策省を設置へ 大統領が方針「国家非常事態」

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記者会見する韓国の尹錫悦大統領=ソウルで2024年5月9日、ロイター 拡大
記者会見する韓国の尹錫悦大統領=ソウルで2024年5月9日、ロイター

 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は9日、深刻な少子化に対応するため、「低出生対応企画省」(仮称)を新たに設置すると発表した。韓国の2023年の合計特殊出生率は0・72(暫定値)で、経済協力開発機構(OECD)の全38加盟国の中で「1」に届かないのは韓国のみ。教育、労働、福祉分野を横断する政策立案を行い、出生率低下に歯止めをかけたい考えだ。

 尹氏は記者会見で韓国の出生率の低さが「国家非常事態」だとし、「克服するために国家のすべての力を総動員する」と強調。省の新設に必要な法整備に向けて、野党にも協力を求めた。

 また、尹氏は育児のために柔軟な勤務ができるよう制度化する方針を示した。国立の保育所を拡大し、保育士の処遇改善も図る。子どもを持つ世帯の住居負担を「画期的に」減らすための対策も講じる。

 韓国は首都ソウル市内の大学や企業を目標にした競争が激しく、少子化の原因にもなっている。このため、尹氏は「過剰競争を改善するため、地方の均衡な発展と社会構造改革を力強く推進する」と述べた。【ソウル日下部元美】

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