野球部最年少OBが後輩に託す赤と白のオーラ 日産復活のキセキ
毎日新聞
2024/5/9 07:00(最終更新 5/15 19:42)
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2009年2月に突然、告げられた日産自動車野球部の休部から15年。今も社員として働く野球部OBで最年少の西川勇人さん(38)は「日産で野球ができて良かった」という感謝と誇りを胸に抱いている。その思いを、復活する野球部に入る、まだ見ぬ後輩たちに伝えたいと考えている。
日産自動車野球部が休部した後も、思いをつないできた人たちがいます
腐っていた“最後のエース”15年越しの恩返し 日産復活のキセキ
「二度と来たくない」更地の選手寮から受け継ぐ心 日産復活のキセキ
忘れられない記憶
「何百試合とやってきましたけど、あの1試合は今でも鮮明に覚えていますし、これからも忘れることはないですね」
休部前最後の公式大会となった日本選手権の初戦、トヨタ自動車戦だ。その夏の都市対抗の準決勝で敗れた時の相手で、試合前のベンチは恐ろしいほど静まり返っていた。試合は九回裏2死から相手守備の乱れなどで1点差を追いつき、代打の適時打でサヨナラ勝ち。入社2年目だった西川さんの出場はなかったが、執念の攻撃をベンチで見守り、涙が止まらなかった。
もう一つ、特別な思いで大会に臨んでいた。休部とともに現役引退を決めていたからだ。「腹をくくったはずなのに、試合に入り込めているような、いないような複雑な心境でしたね」
赤と白の誇り
物心ついた頃から社会人野球は身近にあった。父公紹(まさつぐ)さん(65)はヤマハが1987年の都市対抗を制覇した時の主将で、監督も務めた。「父が選手時代の記憶はありませんが、指導者になってからも母と妹と何度も試合の応援に行きました。当時は金属バットだったので、いい音がして打球がものすごく飛んでいくんですよ」と懐かしむ。
静岡・浜名高から中央大を経て入った日産では内野、外野、捕手と守…
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