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第82期名人戦

初防衛を目指す藤井聡太名人に、豊島将之九段が渡辺明九段に名人位を奪われて以来5期ぶりの復位を期して臨みます。

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阿部光瑠七段「豊島九段、苦しい長考」 名人戦第3局1日目を解説

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控室で検討する佐藤康光九段(右)、阿部光瑠七段=羽田空港第1ターミナルで2024年5月8日午前10時55分
控室で検討する佐藤康光九段(右)、阿部光瑠七段=羽田空港第1ターミナルで2024年5月8日午前10時55分

 東京都大田区の羽田空港第1ターミナルで8日に始まった藤井聡太名人(21)と豊島将之九段(34)の第82期名人戦七番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催)第3局は、藤井名人が45手目を封じて1日目を終えた。豊島九段の雁木(がんぎ)の構えに藤井名人が急戦を仕掛けた戦いは、豊島九段が長考を重ね、消費時間が藤井名人を2時間以上も上回る差がついた。副立会で解説の阿部光瑠七段は「初日から差が開くのは珍しいが、いくら検討しても後手(豊島九段)に思わしい順が見つからなかった」と話し、挑戦者の長考に苦戦を読み取っていた。

阿部光瑠七段の解説動画はこちら
立会の佐藤康光九段「今までにない新しい戦い」
豊島九段の雁木に藤井名人が棒銀 1日目総括

 タイトル戦の副立会は初めての経験になる阿部七段。「対局場に到着するまでは本当に不安だったが、1日目を(無事に)終えてホッとしています」と笑顔を見せた。

 今期シリーズは挑戦者の工夫で競り合いの大熱戦が続いている。第3局も豊島九段が雁木を採用して序盤戦を誘導した。

 序盤のポイントは豊島九段の4五歩(24手目)。考慮時間はわずか9分だった。阿部七段は「前例が1局しかなく、相当研究してきたと思う」と指摘。「普通は6四銀と上がり、3四歩、同銀、3八飛、4三銀、3四歩、2二角に3六飛と浮いて(7六の)角頭をカバーする。それでも構わず7五歩、3五銀と行ってどうかという将棋。この変化もあったが、豊島九段はこれではあまり面白くないと見て、積極的によさを求めにいった。前向きな一手だ」と解説する。

 藤井名人の7八金(33手目…

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