グリ下に集まる若者、6割が「DVや虐待受けた」 支援団体が発表

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「グリ下」に集まる若者たち=大阪市中央区で2022年5月18日、久保玲撮影 拡大
「グリ下」に集まる若者たち=大阪市中央区で2022年5月18日、久保玲撮影

 大阪・ミナミのグリコ看板下の遊歩道「グリ下」に集まる若者を支援するNPO法人「D×P(ディーピー)」(今井紀明代表、大阪市)は8日、活動を通じて出会った計70人の面談記録を分析した結果を発表した。6割にあたる42人が、家庭内暴力(DV)や虐待された経験があると答えた。望まぬ妊娠や経済的困窮を抱えている人もいて、詳しい実態を把握するため、アンケート調査を実施する。

 D×Pは2022年にグリ下でフリーカフェを始め、23年6月には近くに支援拠点「ユースセンター」を開設。センターは3月までに764人が利用した。

 面談では、13~25歳の70人(男性20人、女性50人)に、住居や心身の問題などについて聞いた。住所は大阪市内22人、大阪府内22人など大半が関西圏だが、それ以外の地域から来た人もいた。望まぬ妊娠や性病、経済的困窮についての相談も多く、D×Pは「福祉や医療、法律など複数分野が連携した支援が必要」と訴えている。

「グリ下」の若者たちの個別面談データの分析結果について発表するD×Pの今井紀明代表=大阪市で2024年5月8日午後1時、長沼辰哉撮影 拡大
「グリ下」の若者たちの個別面談データの分析結果について発表するD×Pの今井紀明代表=大阪市で2024年5月8日午後1時、長沼辰哉撮影

 アンケート調査は6~9月、センター利用者200~400人を対象に実施する。今井代表は「今回発表した数値は参考値だが、グリ下の若者を対象にした調査は珍しい。家庭内の虐待などについて、学校でも相談に乗ってもらえない若者がいる。アンケート結果を基に府や市、国に提言したい」としている。【長沼辰哉】

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