官房長官、環境相の辞任は否定　直接謝罪は「本人の強い思い」

　林芳正官房長官は8日午後の記者会見で、水俣病の患者・被害者らと伊藤信太郎環境相との懇談の際に被害者側の発言が制止された問題で、伊藤氏が熊本県に同日赴いて謝罪することについて「私や岸田文雄首相から指示したものではなく、環境相の強い思いだ。事務方だけではなく環境省の責任者として自らが謝罪に伺うこととしたと聞いている」と話した。

　伊藤氏は、懇談直後に「マイクを切ったことを認識しておりません」と発言。出席者から抗議の声が上がる中でそのまま会場を後にし、批判の声が上がっている。環境相としての職責を問われた林氏は「水俣病対策の推進に当たり、関係者のご意見を丁寧にお伺いすることを改めて徹底していただくことをはじめ、引き続き職責をしっかり果たしてほしい」と述べた。【鈴木悟】