立会の佐藤康光九段「今までにない新しい戦い」　名人戦第3局

　初の空港での対局となった第82期名人戦七番勝負（毎日新聞社、朝日新聞社主催）の第3局が8日、羽田空港第1ターミナル（東京都大田区）で始まった。藤井聡太名人（21）は勝てば初防衛に王手をかけ、豊島将之九段（34）は負けると5期ぶりの名人復位に黄信号がともる。立会の佐藤康光九段は「観戦する側としては一局でも多く見たい。第3局も今までにない新しい戦いで、両者が序盤から将棋を作っていく意志が感じられる。豊島九段にとっては負けるとカド番で（星勘定も）三つ離される。後手番だが、名人戦の行方を占う上では大きな一局。力を出し切って素晴らしい棋譜を残してほしい」と対局を見守る。

佐藤康光九段の解説動画はこちらから
佐藤康光九段のコラム「棋界新時代」

　窓から航空機が離着陸する様子が見られる。「非常に広々とした感じ。今まで対局室から見ることができなかった光景で新鮮な感じがします。防音もしっかりしていて、（室内の）明るさも問題ないだろう」と話し、空港対局の運営に自信を示した。

　名人戦といえば、佐藤九段も3回出場し、いずれもフルセットの激闘だった。第56期はA級順位戦のプレーオフで羽生善治九段を降して挑戦者になると、当時の谷川浩司名人から名人位を奪取。「谷川さんは私が奨励会に入ってすぐに史上最年少名人（当時21歳）になり、憧れであり…