女優の渡辺えり(69)が8日、ブログを更新。4日に84歳で亡くなった劇作家の唐十郎(から・じゅうろう)さん(本名大鶴義英=おおつる・よしひで)を追悼した。

渡辺は「唐十郎さんが亡くなってしまった。精神的支柱を失った思いで、昨日からずっと考えている。私が25歳の時に書いた『夜の影』という戯曲が演劇雑誌の新劇に掲載された時、唐さんが評価してくださり、岸田國士戯曲賞候補と勘違いして、当時の先輩の劇作家達に、面白い作品だと紹介して下さったという。そして翌年のゲゲゲのげの戯曲賞に繋がって行ったと聞いている」と唐さんと自身にまつわるエピソードをつづり、「今、こうして戯曲を書き続け、演劇を続けているのは、唐さんのお陰と言えるだろう」と感謝した。

一時は「大喧嘩をして四年間絶交したこともあったっけ」という。それでも「唐さんの作品の魔力と人間的な魅力とで親しく付き合わせていただいた。唐組のメンバーにも並々ならぬお世話になり、唐さんの生み出した演劇の子供達とも長い付き合いが続いている」と、その後は再び親交が続いていた。

「六月にお会いできる事を楽しみにしていた!もっともっと話したかった。残念でなりません」と悔やみ、「寺山修司さんと同じ日に亡くなるなんて!」と、奇しくもアングラ劇団ブームでしのぎを削った寺山修司さんの命日に亡くなったことを驚きつつ、「生前寺山さんが『唐は君を買ってるんだね?君も良いけど、でも如月小春も良い作家だよ』などと私に言ったっけ。寺山さんは唐さんを凄く意識していましたよね?」と回顧。「私が28歳の時に演じた唐さんの作品少女仮面の春日野八千代役の写真もあげます。この作品がきっかけで、俳優の仕事をやり続ける事になりました」と、思い出の写真をアップしてしのんだ。