ゴルフのフォーム改善に一役 愛知の会社開発、靴の中敷きが好評

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豊田合成が開発したゴルフインソール「フィールソール」。センサーなどが内蔵されている=愛知県あま市で2024年4月15日午後2時3分、大原翔撮影
豊田合成が開発したゴルフインソール「フィールソール」。センサーなどが内蔵されている=愛知県あま市で2024年4月15日午後2時3分、大原翔撮影

 ゴルフのフォーム改善に役立つ靴の中敷き「FEELSOLE」(フィールソール、2023年4月発売)が好評だ。内蔵されたセンサーが、スイング時の体重移動を計測。その際足裏にかかった圧力を、暖色の度合いで示すヒートマップにして、タブレット端末などの画面に表示する仕組みだ。端末にはプロゴルファーがスイングする見本動画のほか改善点も表示され、日々練習に励むゴルファーの心強い味方となっている。

 これまでも体重移動を計測する機器はあったが、既存品は床に敷くマットのタイプなどで、靴の中に入れることができるものは珍しい。また、価格も既存品が数十万~数百万円なのに対し、4万9500円(税込み)と大幅に安い。

 開発したのは、トヨタ自動車グループでゴム製の自動車部品などを手がける「豊田合成」。プロゴルファーのコーチも務める東大ゴルフ部の井上透監督の監修を受けて開発し、車部品製造の技術を生かして高い計測精度を実現した。

 フィールソールは既存のゴルフシューズの中に敷いて使う。素材にゴムを使い、片足ごとに四つのセンサーと電子回路、バッテリーを内蔵。ゴムは繊細な重さの変化に対応できるよう工夫されている。

 厚さ7~10ミリで部位によって異なるため、元々入っている中敷きは外してから敷くのが望ましいという。サイズはS、M、Lの3種類で男女兼用。充電式で、2時間の充電で5時間使える。

ゴルフインソール「フィールソール」を靴に入れてスイングすると、足裏のヒートマップがタブレット端末(手前)に表示される=愛知県稲沢市で2024年4月15日午後2時44分、大原翔撮影
ゴルフインソール「フィールソール」を靴に入れてスイングすると、足裏のヒートマップがタブレット端末(手前)に表示される=愛知県稲沢市で2024年4月15日午後2時44分、大原翔撮影

 合わせて使うのが、スマートフォンやタブレット向け専用アプリ「FEELSOLE Golf」(iOS専用)だ。アプリの撮影画面を全身が映り込む位置に三脚などで端末を固定。あとは、カメラに向かって手を上げ10秒間の自動録画をスタートさせてから、スイングする。

 撮影した動画は、足裏のヒートマップとともに保存される。アプリに搭載されたプロゴルファーの見本動画と並べて閲覧でき、自分のスイングと比較できる。1人でも使えるほか、複数で指導に活用することも可能だ。

 開発した豊田合成eR技術室の杉山勝哉室長は、ゴルフ歴30年。試しに使ってみたところ、平均で100前後だったスコアが、1年で90前後になったという。杉山さんは「右脚から左脚に体重を移すタイミングやフォームには無頓着だったが、見本を意識したら上達して驚いた」と笑う。

 今後はほかのスポーツや、スポーツ以外の用途にも幅を広げられるよう、商品開発に取り組む。ライフソリューション事業本部の大西亮本部長は、「足の裏のどの部分に圧力がかかっているかを知ることで、歩き方の改善に役立つ商品が作れる可能性もある。そうした分野も将来的に目指していきたい」と意気込む。【大原翔】

豊田合成

 1949年設立。本社は愛知県清須市。連結社員数3万8621人(2024年3月末時点)。ゴムや樹脂材料を使ったエアバッグなど車の内装部品のほか、LED(発光ダイオード)関連製品などを手がける。トヨタグループの主要企業で唯一、読みが「とよだ」と濁る。エアバッグ製造で余った端材を使ったカバンやペンケースなど、環境に配慮した製品づくりにも熱心だ。

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