【阪神糸原健斗】虎の「こと起こし請負人」が明かした打撃の流儀/連載23

阪神糸原健斗内野手(31)があらためて存在感を示している。この2年はほぼ代打専任だが、安打に限らない有形無形の仕事「こと起こし」の働きが注目されている。糸原の職人芸に隠された工夫に迫った。

プロ野球

◆糸原健斗(いとはら・けんと)1992年(平4)11月11日、島根・雲南市生まれ。開星(島根)で甲子園に3度出場。明大では3年時に三塁手でベストナイン。社会人ENEOSを経て、16年ドラフト5位で阪神に入団。2年目の18年から2年連続で全試合出場。19年から2年間、チームの主将務めた。175センチ、78キロ。右投げ左打ち。

課せられたノルマ

4月28日のヤクルト戦(甲子園)。

今年初めてスタメン表に名前が載った糸原はこう振り返った。

「何打席も同じ投手と対戦できますからね。いつもは誰が来るか分からないので…」

その言葉だけでも代打稼業の苦労が分かる。

ヤクルト戦の4回裏1死一塁、阪神梅野隆太郎の左越え二塁打で三塁へ向かう糸原健斗=2024年4月28日

ヤクルト戦の4回裏1死一塁、阪神梅野隆太郎の左越え二塁打で三塁へ向かう糸原健斗=2024年4月28日

「こと起こし請負人」と呼ばれる。

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