「打つよ」家族思った夫は翌朝死亡 ワクチン救済諦めなかった妻

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自治体から送られてきた健康被害認定の書類を見つめる遺族=栃木県内で2024年3月10日午後4時、金秀蓮撮影(画像の一部を加工しています)
自治体から送られてきた健康被害認定の書類を見つめる遺族=栃木県内で2024年3月10日午後4時、金秀蓮撮影(画像の一部を加工しています)

 「(旦那さんの死亡と)ワクチンに関係はありません」。栃木県内に住む60代のミエさん(仮名)は2021年7月、医師にこう告げられた。

 夫のコウスケさん(60代、仮名)は前日の午前9時、かかりつけのクリニックで1回目の新型コロナワクチンの接種を受けた。2人の娘を含め家族4人で接種を受けるか話し合った際、コウスケさんは「打つよ。感染しちゃったらダメだからね」と話していた。

 接種後、昼過ぎまでは普段と変わらぬ様子だったコウスケさんだが、夕方ごろから体調が急変する。手足がしびれ、夕食時には箸も持てなくなった。

 ミエさんがかかりつけの医師に電話をすると、救急車を呼ぶように指示された。体を支えられないと起き上がれなくなったコウスケさんは「元に戻るんかな。このままどうかなってしまうんだろうか」と不安を口にした。ミエさんが聞いたコウスケさんの最後の言葉だった。

 コウスケさんの意識は混濁し、搬送先の病院で左脳に出血が確認された。医師からは…

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