習近平氏訪欧でも溝埋まらず 輸出攻勢をEU警戒 中国の報復懸念

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中国の習近平国家主席(中央)を迎えるマクロン仏大統領(左)と欧州連合のフォンデアライエン欧州委員長(右)=パリで6日、ロイター
中国の習近平国家主席(中央)を迎えるマクロン仏大統領(左)と欧州連合のフォンデアライエン欧州委員長(右)=パリで6日、ロイター

 中国の習近平国家主席訪欧の焦点の一つは、貿易を巡る欧州との対立を緩和できるかどうかだった。欧州連合(EU)は、中国による輸出攻勢を国家の補助金を利用した「不公正」なものだと批判し、中国系企業を標的にした調査を連発しており、6日の会談でも双方の溝は埋まらなかった。だが今後、中国が報復に打って出れば、欧州各国の足並みが乱れる可能性もある。

 「欧州の経済と安全保障を守るためなら、難しい決断でもためらわない」。習氏との会談を終えたEUのフォンデアライエン欧州委員長は、報道陣にこう言い切った。

 EUは2023年10月、中国製の電気自動車(EV)について、中国政府による企業への補助金が欧州企業との公正な競争を阻害していないか調査を開始した。24年に入っても2月に列車製造会社、4月には風力発電用タービンや太陽光パネルを製造する中国系企業に同様の調査を実施すると発表している。

 背景には、経済安全保障が重視されるようになり、EUも経済面でも対中強硬路線を取る米国に歩調を合わせ、過度の中国依存を避ける「デリ…

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