本当にとてもレベルの高い決勝戦だった。レジスタもフロンターレも、選手たちはボールを奪えるかどうかの微妙な距離感で、リスクを覚悟して奪いに行く。まずはチャレンジして、その後で修正するという今の海外サッカーのトレンドを実践していた。

ボールを持つ選手が相手をうまく呼び込んで抜きにかかっていた。息つく間もないほどの素早い攻防が繰り広げられたのも、こうしたプレーで不利な局面が一瞬にして有利になるターンが多かったからだ。

第1Pと2Pで選手が入れ替わっても実力差を感じなかった。育成年代の“全選手を育てる”ことを目指すこの大会の成果が表れている。指導者が「育成」と「結果を出すこと」の両軸を踏まえて、10年後も続けてほしいプレーを子どもたちに落とし込んでいるからこそ。日本のサッカー全体のレベルも間違いなく上がってくるし、この子たちを育てられなかったら、俺たちの責任だよね。そう思えるようなハイレベルな大会だった。(元サッカー日本代表、チビリンピック大会アンバサダー)