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運輸業界に4月、時間外労働時間の上限規制が適用されるようになった。運転者の健康確保や安全などが目的だが、人口減少と高齢化が急速に進む中で「2024年問題」と呼ばれ、公共交通機関を担う人手不足は深刻さを増している。鉄道の赤字ローカル線を巡る議論やライドシェアの運用が本格的に始まるなど、新たな動きも活発化してきた。地域の足を今後どうしていくべきか、識者に聞いた。
JR西労組・田中佑佳中央執行委員
――バス、タクシーなど交通業界で人手不足が深刻です。車掌、運転士をされた経験から、女性が働きやすい環境にする課題は何だと思いますか。
◆泊まりを含む勤務形態は、家庭との両立が難しい。そこが一番のネックとなっている。一度出勤すると24時間程度帰宅できず、遠隔地まで乗務すると行き先で泊まり、翌朝にまた乗務して帰ってくる。都市部でも深夜、早朝乗務がある。基本的に泊まり、非番、休みの繰り返しで月10回泊まりのイメージだ。
私が入社した約20年前は、泊まる設備自体がないハード面の課題があった。徐々に女性が増え寝室やロッカーなどは整備されたが、家にいないといけない時間帯が発生する家庭環境の人は厳しい。
男性も含め、育児、介護など生きていくうえでさまざまな環境にある人が増えている中で、交通を担う仕事がそれに十分対応できる勤務体系になっていると言えるのだろうか。
――働く環境をより良くするには。
◆JR全体として、働…
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