これがハマの大砲だ! DeNA筒香嘉智外野手(32)が、劇的逆転3ランで横浜を歓喜の渦に包んだ。2点を追う8回2死一、二塁、右中間席へ運ぶ5年ぶりの豪快アーチ。「横浜の空高く」から始まる大声援の応援歌に背中を押され、チームを勝利に導いた。1軍合流して即日に「6番左翼」でスタメン出場。1軍で1673日ぶりのプレーとなった背番号25が、球場の空気をガラリと変えた。

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筒香がほえた。右腕を掲げた。「横浜の空高く~」から始まる応援歌の大合唱。波のような大声援に覆われる。2点を追う8回2死一、二塁。ヤクルト・エスパーダの初球直球をかち上げた。横浜の空高く舞い上がった打球は、右中間席に届く逆転3ラン。観客は総立ち。横浜が歓喜と熱狂の渦に包まれた。「感触は、ホームラン入るかなと思いました。ダイヤモンドを一周しているときは、本当に特別な時間でした」。筒香もお祭り騒ぎの味方ベンチで、喜びを分かち合った。

3万3284人の大観衆の異様な雰囲気が筒香の背中を押した。1回1死、ファーストプレーは打席ではなく守備だった。左翼前方への飛球をがっちり捕球。ざわめきと拍手が入り交じる。異様な雰囲気と捕球した安堵(あんど)感からか、思わず笑みをこぼした。2回1死二塁の復帰後初打席も大声援に背中を押されて、貫禄の四球を選び、劇的アーチの布石を打った。

日米通算で1000試合以上を経験しても、緊張感を抱いた朝だった。慣れ親しんだとはいえ、5年ぶりのハマスタでのプレー。「もちろん緊張はありますし、どうなるかというストーリーは自分で作らないように。目の前の事実だけを見ようと思って入ってきてます」と脳内を回る想像の絵を消した。ファームで調整中には石田健ら旧友と再会し「優勝するための行動をする人を1人ずつでも増やさないといけない。優勝するための集団を作らないといけない」と熱い「優勝」への思いをにじませた。

「たくさんのファンの皆さまに声援をしていただき、力を貸していただき、本当にありがとうございました」。横浜で優勝するために、横浜に戻ってきた背番号25。横浜が大歓声で歓迎した。【小早川宗一郎】

◆筒香対石川 筒香がNPBで対戦した投手のうち、打席数の最多はヤクルト石川の108打席。奇遇にも復帰戦の相手先発は最多対戦投手になった。石川との対戦成績は95打数22安打(打率2割3分2厘)、4本塁打。

▽DeNA三浦監督(筒香に)「ゴウが全てを救ってくれたと思います。さすがだなと。球場全体が最高の雰囲気をつくってくれて、ベンチから筒香の背中が大きく見えました」

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