前節8位の名古屋グランパスが、開幕から11試合無敗を続けていた同4位のサンフレッチェ広島をついに破った。昨季から続いていた無敗も17試合でストップさせた。

名古屋は連敗を2で止める3試合ぶりの勝利で、通算6勝1分け5敗の勝ち点19となった。

勝利に大きく貢献したのは元広島勢だった。

1-0で迎えた前半18分、MF稲垣祥(32)がMF森島司(27)のクロスを頭で合わせて、貴重な追加点を奪った。その後は一時同点を許し、稲垣は「決して簡単な試合ではなかったが、みんで最後まで粘りながら勝ち点3をもぎ取った」と振り返った。

19年まで3年間、広島で育った稲垣は、今季完成した古巣の本拠地Eピースでの初めてのプレーに「広島サポーターが作り出す、このスタジアムの雰囲気は素晴らしいと思った。プレーできたのは幸せ。(無敗チームを破るなど)1つ1つのことが、僕たちの自信につながっていく」と感無量の表情だ。

長谷川健太監督(58)も「元広島の選手もいたので、気持ち的にいい形で入ってくれたのではと思う」と称賛した。

2-2で迎えた後半39分のオウンゴールによる勝ち越し点は、途中出場した永井謙佑(35)とキャスパー・ユンカー(30)の両FWが、こぼれ球に詰めて生まれたもの。「みんなが力を出して、3点目を取れたのは大きかった」と指揮官。故障明けのユンカーは、この日が8試合ぶりの復帰戦だった。

名古屋は第9節でそれまで開幕無敗だったセレッソ大阪も破るなど、ここ一番で勝負強さを発揮。開幕3連敗スタートだったが、上位争いに加わってきた。