子ども乗せ、ミニSL疾走 趣味が高じて自宅庭に手作り「遊園地」

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村本さん(左端)が運転するミニSLの旅を楽しむ親子連れら=2024年5月5日、山口起儀撮影 拡大
村本さん(左端)が運転するミニSLの旅を楽しむ親子連れら=2024年5月5日、山口起儀撮影

 こどもの日の5日、奈良県香芝市関屋北6の村本順三さん(75)の自宅庭でミニSLが運行した。約1000平方メートルの広い敷地に約120メートルの線路が敷かれており、時速約6キロで走る。毎月1回ほど開く無料の乗車会で、地域の子どもたちが小さな汽車の旅を楽しんだ。

 プフォーッという汽笛が鳴り、6両編成のSLがシューッと煙を上げて動き出す。コースにはコイが泳ぐ池やトンネルがあり、ミニ遊園地のようだ。1編成につき10~15人がまたがって乗車できる。6周すれば順番待ちの人たちと交代するが、行列が途切れることはなかった。

 村本さんは教育機器などを製造する中小企業「さくら精機」(大阪府八尾市)会長。鉄道模型が趣味で、2003年から手弁当で走らせている。

 熱が高じてミニSLの運行をもっぱら担う「関屋鉄道」という会社を設けたほど。車両は村本さんが製作キットを基に自作していて、現在走るのは「C58形」を模した3代目で、休日などを使って約3年半で作り上げた。

 少年期に母と乗った汽車の思い出が色濃く、長年の夢だった。02年に自宅を建てた際に実現を思い立ち、レールの配置を決めてから住居部を設計するほどこだわった。しばらく趣味で走らせていたが、子どもたちの要望を受けて、誰でも自由に乗れる機会を設けた。

 神戸市から母と訪れた中津颯人ちゃん(6)は「気持ちよかった。3回目だけど、また来たい」と興奮気味に話した。

 この日は子どもたちにすくすく育ってほしい願いを込めて、機関車の先端部に小さなこいのぼりを飾った。村本さんは「子どもたちに喜んでもらえるのが一番の励みになる。できる限り長く続けたい」と笑顔で語った。

 運行情報は、http://ameblo.jp/sekiya-tetsudou/【山口起儀】

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