帝国データバンクは6日、芸能プロダクションの倒産発生状況について調査・分析を行った結果、23年は合計12件の倒産が発生したとのデータを公表した。

集計期間は24年3月31日までで、集計対象は負債1000万円以上の法的整理による倒産で、12件は前年22年の4件の3倍に上り、過去5年間で最多だという。

帝国データバンクは、VRアイドルグループ「えのぐ」などが所属した岩本町芸能社(千代田区)の廃業、大東駿介らが所属したA.L.C.Atlantis(港区)壇蜜が所属したフィット(渋谷区)の破産、吉岡里帆が所属したエー・チーム(港区)の休業を例に挙げた。その上で「芸能プロの行き詰まりが表面化している」と分析した。

要因として「近年はテレビ局の制作費削減に伴う出演料の減少や番組の整理・終了といった状況に直面したほか、SNSの台頭でYouTuberやインフルエンサーとして活動する個人も増え、芸能プロが従来得意としてきた新人タレントの発掘なども難しくなっている。こうした逆風の中で、所属タレントの独立、創業者の死去・体調不良といった社内事情が加わり、倒産や廃業に至る芸能プロが目立った」とした。