記録に残る大逆転で、最年少ヒロインが誕生した。

10位で出た韓国人アマチュアの李暁松(リ・ヒョソン)が1イーグル、5バーディー、2ボギーの67で回り、通算8アンダーの280で国内メジャー今季初戦を制した。15歳176日での優勝は、勝みなみの15歳293日を塗り替える国内ツアー大会史上最年少記録。さらに、国内メジャーの最終ラウンドに7打差をひっくり返したのは最大逆転記録となった。韓国のナショナルチームでプレーする15歳は、将来の日本ツアー参戦にも意欲を示した。

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15歳のあどけない笑顔がはじけた。並み居るプロを異国の地で破り、李暁松がビッグタイトルをつかんだ。「信じられない。日本のメジャーで優勝できて本当にうれしい」と夢心地だった。

首位で出た前年の韓国ツアー賞金女王の李叡源(イ・イェウォン)とは7打差でスタート。日本で2年連続年間女王の山下美夢有らが続くリーダーズボードを眺めて思った。「すごい選手が参加されている。優勝は考えず、トップ10に入れればいい」。気負うことなく臨み、難コースでスコアをぐんぐん伸ばした。

勢いは終盤さらに加速した。17番パー3でバーディー。最終18番パー5では、ピンまで約215メートルの第2打を3メートルにつけるスーパーショットを披露した。イーグルパットを沈め、右手を何度も握りしめた。首位に並んでフィニッシュ。「スコアカードを提出した時から手が震えはじめた。緊張がこみ上げ、涙が出そうになった」。その後、実力者たちが次々とスコアを落とし、勝利が舞い込んだ。

日本のツアーに出場するのは1年ぶり。前回大会では116人中113位で予選落ちだった。前年の韓国女子アマ優勝の資格で再び出場。「飛距離は去年とあまり変わらないが、スイングは変化した。昨年参加したことが良い経験になった」と、1年前の苦闘を最高の結果に結びつけた。

韓国のナショナルチームでもプレーする高校生。「もともと日本が大好き。試合の環境も素晴らしいし、ギャラリーの皆さんも素晴らしい。日本が好きだし、将来的にはぜひ日本ツアーに参加できれば」。女子アマチュア選手が日本のメジャーを制したのは、16年日本女子オープンVの畑岡奈紗(16年)以来、史上2人目。日本女子ツアー最年少で頂点に立った有望株の視界には、洋々たる前途が広がっている。【奥岡幹浩】

◆国内女子ツアーでのアマチュア優勝 19年富士通レディースを制した古江彩佳以来、8人目。海外アマとしてはキム・ヒョージュ(韓国)、クリスティン・ギルマン(米国)に続いて3人目となる。アマチュア選手による国内メジャー制覇は16年の畑岡奈紗以来、史上2人目の快挙。

▽李叡源(イ・イェウォン、昨季韓国賞金女王は首位から出るも2打差3位)「風が強く、適応できなかった。また日本に来て挑戦したい。(優勝した李暁松は)風の攻略が上手。アマの中でトップレベルとは知っていた」

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