米沢蓮(24)が3位から6バーディー、1ボギーの65をマークして通算13アンダーの267とし、逆転でツアー初優勝を果たした。

1打差の2位に片岡尚之。通算8アンダーの3位に小木曽喬、杉浦悠太、篠優希。前週優勝の桂川有人は66を出し、金谷拓実らと並ぶ7アンダーの6位に追い上げた。河本力は12位、石川遼は34位だった。

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クールな男が帽子を取って力強く右拳を握った。米沢は、同組で優勝経験のある片岡尚と並んで迎えた18番でバーディーパットを決め、1打差で悲願の初優勝。「うれしい。最後のパットも震えるような緊張だった」と目尻を下げた。

初めての最終日最終組。冷静なマネジメントと、ウエッジショットなどの小技がさえた。折り返した10番までに3連続を含む計5バーディーを奪って浮上し、後半は片岡尚と激しく競った。18番(パー4)は第2打が明暗を分ける。バンカーに外した相手に対し、残り150ヤードのラフから上りの1・5メートルにぴたりとつけ、栄冠に突き進んだ。

岩手・盛岡中央高から強豪の東北福祉大に進み、18年ジャカルタ・アジア大会の団体で金メダル獲得。大学の1学年先輩で共に戦った金谷からも「すごく練習する。勝負強い選手」と評された。

ひょんなことで出合ったゴルフ。9歳の時に家族で家具屋の開店を待つ間に入った練習場でクラブを握ったことがきっかけだった。174センチ、80キロと体も大きくなり、有望株に成長。岩手県出身者としても初のツアー制覇を成し遂げ「賞金王になりたい。海外でも通用するゴルフを」。大輪の花を咲かせ始めた。