阪神前川右京外野手(20)が最終打席で貴重な1点をもぎ取った。

「5番左翼」で4月23日DeNA戦以来、約2週間ぶりの先発出場。無安打で迎えた4打席目だった。1点リードの8回無死二塁。カウント1-2から巨人京本の138キロフォークにくらいつき、右手1本ですくい上げた。逆方向の左中間へ運び、二塁走者大山は一気に生還。試合の流れを引き寄せた。

「その前の3打席が話にならないくらいダメだったので。なんとか最後打ててよかったかなと思います」

相手は智弁学園3年時にセンバツ準々決勝でも対戦した大分・明豊出身の同学年右腕。当時は2打席で1打数無安打と抑え込まれ敗戦したが、4年越しのリベンジとなった。

この日の相手先発は、サブマリンの高橋礼。今季はオープン戦から2試合で10イニング無得点に抑え込まれていた。対策として上位打線には左打者が固められた。前日4日にも先制適時打を放った好調のノイジーに代わる左翼で前川も出場。高橋からではなかったが、貴重なチャンスで結果を出した。「先発で打てなかったので。今日は打ててよかったかなと思います」。先発では4月14日中日戦以来の安打だ。

岡田監督も「追い込まれたから難しいボールだったけど。食らいついていくというかね。そういう姿勢がああいうヒットになったんじゃないかな」と評価。執念の一打で期待に応え、存在感を示した。【波部俊之介】

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