セレッソ大阪のDF舩木翔(26)が、6日のガンバ大阪戦(パナスタ)で開幕から12試合連続で先発する。

3日の北海道コンサドーレ札幌戦の後半、空中戦から着地した際に左手親指を負傷し、中2日での強行先発になる。

札幌戦後、本人は「(負傷した状況は)分からない。ちょっと痛いが、この程度なら(大丈夫)。(大阪ダービーは)相手も100%で来るので、その中で、試合が終われば倒れるくらいのプレーがしたい」と完全燃焼を誓っていた。

U-23アジア杯に出場していたインドネシア代表DFジャスティン・ハブナー(20)と、日本代表DF西尾隆矢(22)が合流したものの、小菊昭雄監督(48)が5日のオンライン取材で「状態をよくしてから、次の試合(11日神戸戦)に向かっていきたい」と、大阪ダービーの出場回避を断言した。

センターバック(CB)の控えが事実上おらず、試合中の緊急事態を含め、MF田中駿汰(26)を回すのは最後の選択肢になる。

舩木は先発だけでなく、12試合連続フル出場も使命となる。開幕11戦、ここまで全990分にフルタイム出場するのはGKキム・ジンヒョン(36)、DF毎熊晟矢(26)、舩木の3人。それほどチームに欠かせない存在になっている。

下部組織出身の舩木は、当時から「大阪ダービーは絶対に負けてはいけない」と指導され、プロ8年目の現在に至る。

小菊監督が「これから語り継がれる、歴史的な勝利」と表現したのが、22年7月16日、今回と同じ敵地パナスタでのダービーだった。

1-1で迎えた後半終了間際、自陣ゴールライン手前から舩木の守備が起点となり、超ロングカウンターを発動。最後は約50メートルを走りきったFWパトリッキ(現神戸)が奇跡的な決勝点を挙げ、2-1で制した。舩木は泥くさい、目立たないプレーでも勝利に貢献できる選手になった。

昨季までは本職の左サイドバックだったが、今季は故障者の関係でCBに本格転向し、本人も「最も充実したシーズンになっている」と認める。3月30日湘南戦では値千金の今季初得点も決めている。

大阪ダービーはリーグ戦で5連勝中だが、悲願の制覇へ油断はない。3戦未勝利で前節首位から陥落した3位C大阪に対し、G大阪は10位。激しい攻防が予想される中、C大阪の窮地を救うのは舩木かもしれない。