世の中の痛みに寄り添った劇作家 唐十郎さんが照らす「現在地」

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唐十郎さん=1997年10月撮影
唐十郎さん=1997年10月撮影

 戦後の日本演劇界を代表する一人で、紅テント公演で知られる劇作家・演出家・俳優の唐十郎(から・じゅうろう<本名・大鶴義英=おおつる・よしひで>)さんが4日、急性硬膜下血腫のため死去した。84歳だった。

演劇界に新風 時代の寵児に

 神社の境内に建てられた紅テントで唐十郎さんの芝居を見るたび、その空間の力とあいまって、何か言い知れぬものに胸をつかまれる思いがした。戦地に残されたままの兵士の白骨、干拓に揺れる漁港、都市の高架下――。「劇詩人」と呼ばれた唐さんが目を向けるのは、世の中にうち捨てられたり、忘れ去られたりした人々や土地、モノたちだった。…

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