劇作家唐十郎(から・じゅうろう)さん(本名大鶴義英=おおつる・よしひで)が4日午後9時1分、急性硬膜下血腫のため、都内病院で亡くなった。84歳。1日に自宅で転倒し、救急搬送されたという。芸能界からも、悲しみの声が上がった。

舞台デビュー作が唐さん作品だった俳優渡辺謙(64)はX(旧ツイッター)で「私の舞台デビュー作『下谷万年町物語』の作者である唐十郎氏がご逝去された。田舎から出て来て、まだ劇団の研究生2年目の右も左も分からない私にとって、唐さんの作品はまさに未知との遭遇 ワンダーランドでした 素晴らしい劇作家でした 謹んでご冥福をお祈りします」。

21年に18年ぶりに再演された唐さんの代表作ともいえる「泥人魚」などに出演した女優宮沢りえ(51)はインスタグラムのストーリーズで「唐さん、さようなら。唐さんの作品に出会えた事は、私の、人生の、最高の宝物です。これからも、大切に、大切にします」と唐さんとのツーショットとともに悼んだ。

唐さんの代表的な戯曲を安田章大主演で23年に都内のTHEATER MILANO-Zaオープニングシリーズとして上演した「少女都市からの呼び声」で唐さんの舞台に初挑戦していた劇団ナイロン100℃所属の三宅弘城もXで「自分とは縁がないだろうと思っていた唐作品ですが、去年『少女都市からの呼び声』をやらせていただいて、とてもいい経験、そしてすごく勉強になりました。新たな景色を見ることができたような気がします」とつづった。

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