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旦過市場火災

旦過市場で2022年4月19日に42店舗を焼く火災が発生、8月10日にも再び大火に。「北九州の台所」のこれからは。

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3年弱で2万5000枚 旦過市場の営みを撮り続けるカメラ愛好家

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笑顔でシャッターを切る西村忠さん=北九州市小倉北区の旦過青空市場で2024年5月4日、井土映美撮影 拡大
笑顔でシャッターを切る西村忠さん=北九州市小倉北区の旦過青空市場で2024年5月4日、井土映美撮影

 北九州市民の台所・旦過市場(小倉北区)の店主らでつくる「旦過市場商店街」は4日、火災前から市場の風景や店主らの撮影を続けている、カメラ愛好家の西村忠さん(64)=同区=に感謝状を贈った。西村さんは「これからも旦過市場で撮り続けたい」と意気込みを語った。【井土映美】

 西村さんは旦過市場で店を営む人たちや街並みの記録を残そうと、学習塾経営の傍ら2021年9月に撮影を始めた。市場は翌22年4月と8月に大規模火災に見舞われたが、その後も連日市場へ通い、2万5000枚ほどを撮りためてきた。

 人と会話しながらシャッターを切るのが西村さんのスタイルで、写真には店主らの飾らない笑顔が写る。火災の後には北九州モノレールの旦過駅などで写真展も開いた。

感謝状を手にする西村忠さん(左)と旦過市場商店街の森尾顧問。後ろは西村さんが撮影した店主らの写真=北九州市小倉北区の旦過青空市場で2024年5月4日、井土映美撮影 拡大
感謝状を手にする西村忠さん(左)と旦過市場商店街の森尾顧問。後ろは西村さんが撮影した店主らの写真=北九州市小倉北区の旦過青空市場で2024年5月4日、井土映美撮影

 再整備事業が進む旦過市場では今夏にも一部区域で解体が始まり、事業が本格化する見通しで、なじみ深い市場の風景は今後大きく様変わりする。

 感謝状を手渡した旦過市場商店街の森尾和則顧問(75)は「市場は人がいて店が成り立っている。再整備後も『この人たちがいたから今の旦過がある』と分かるので、記録が残るのはありがたい」と感謝した。西村さんは「良い記録を残せて良かったです」と笑顔を見せた。

厳選100枚 青空市場で写真展

青果店「吉永商店」の店主。2022年8月の火災で店舗が焼失したが、現在は旦過市場内の別の場所で営業している=北九州市小倉北区で2021年10月(西村忠さん提供) 拡大
青果店「吉永商店」の店主。2022年8月の火災で店舗が焼失したが、現在は旦過市場内の別の場所で営業している=北九州市小倉北区で2021年10月(西村忠さん提供)

 西村さんが撮影してきた写真のうち、約100枚を厳選して展示する写真展「旦過市場と生きる」が4日、火災の焼け跡に整備された旦過市場そばの仮設店舗「旦過青空市場」の一角で始まった。

 写真には火災で焼失した店舗や、後継者がおらず廃業した店の営業当時の様子なども写っており、市場の歴史が丁寧に記録されている。

 6月1日まで(12、19、26日は休み)。午前10時~午後4時。

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