アングラ演劇の旗手で小説家としても活躍した劇作家で演出家、俳優の唐十郎（から・じゅうろう、本名大鶴義英＝おおつる・よしひで）さんが4日午後9時1分、東京都中野区の病院で死去した。84歳。東京都出身。

1963年に「シチュエーションの会」（64年に劇団「状況劇場」に改名）を立ち上げた。特設の「紅（あか）テント」公演を国内外で続け、根津甚八さんや小林薫、佐野史郎ら多くの俳優を輩出した。

70年に「少女仮面」で岸田国士戯曲賞、78年に「海星（ひとで）・河童（かっぱ）」で泉鏡花文学賞。83年に「佐川君からの手紙」で芥川賞を受賞した。

状況劇場を88年に解散後、劇団唐組を結成。映画やテレビドラマにも出演し、幅広いジャンルで足跡を残した。横浜国立大や母校の明治大で教壇に立った。2021年に文化功労者。

俳優の大鶴義丹は長男。（共同）