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札幌市手稲区の住宅街にある絵本の専門店が、4月に開店30年を迎えた。本のインターネット販売や電子化、少子化などの流れもあって、売り上げが黒字になったのは30年間でたった一度。廃業の危機は何度もあった。ただ、自身を北海道弁で「はんかくさい(ばかげている)人」と評する店主の絵本への情熱と、そこに共感するファンや地域の支えが、今につながっていると思う。
「ちいさなえほんや ひだまり」の外観は、ごく普通の一軒家だ。のぼりが立っていることでしか、開店中だと分からない。インターホンを押しそうになりながら玄関を開けると、見える景色はまさに他人の家。初めての時はためらうが、すぐ横の部屋から店主の青田正徳さん(72)がひょっこり顔を出して、笑顔で迎えてくれる。
中に入ると、…
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