巨人が今季2度目のサヨナラ勝ちし、首位阪神にゲーム差1と肉薄した。

1-1の延長10回1死満塁。巨人吉川尚輝内野手(29)が中前適時打で決着をつけた。両手を大きく挙げてガッツポーズをすると、仲間たちからウオーターシャワーを浴びた。手洗い祝福もなんの。「もう勝ったことが、そこが一番です」とかみしめた。

萩尾が四球を選び、丸、代打の長野が連打でフルベースの絶好機。「なんとかしたい」と自分で決める一心で打席に入ると、阪神・左腕島本の投じた2球目に食らいついた。内角低めの直球を捉え、内野の前進守備を抜くサヨナラ打となった。「打てるボールをしっかり打とうと思って、そしたら、たまたま柔らかい打球が飛んで抜けてくれた。なんとかしたかった。もうそれだけです」と興奮交じりに振り返った。

借りを返した。8回の第4打席では好機を逸した。丸のタイムリーで同点に追いつき、なおも1死一、三塁。一打逆転の場面で捕邪飛に終わり「むちゃくちゃ悔しかった」。次の打席で挽回の機会が訪れ、今度はしっかり期待に応えた。

大型連休中の試合とあって、球場内には連日親子連れの姿が目立つ。殊勲のヒーローは「田舎だったので野球しかやってなかった」と岐阜・羽島市時代の幼少期を回想。競技に熱中する余りプロの試合を観戦することはほとんどなく「野球を見に来れるうらやましさがあった」と本音ものぞかせた。プロ8年目。今度は夢を与える存在となった。この日の活躍が観戦に訪れた子どもたちへ強烈な印象を残したはずだ。

首位阪神とのゲーム差を1とし、ライバル相手に2連勝でカード勝ち越しも決めた。吉川は「きょうの勝ちは大きい。あしたも勝てるように、僕自身はどんどんチャレンジしていきたいなと思います」と気合を入れ直した。【平山連】

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