【ドーハ3日（日本時間4日）＝佐藤成】パリ五輪出場を決めた日本が、4大会ぶり2度目のアジア制覇を成し遂げた。決勝で、2年前の同大会で敗れたウズベキスタンに1－0で競り勝った。後半追加タイムに途中出場のMF山田楓喜（22＝東京V）のミドルシュートで先制。直後に与えたPKのピンチをGK小久保玲央ブライアン（23＝ベンフィカ）が横っ跳びでスーパーセーブし、劇的勝利に導いた。主将としてチームをまとめあげたMF藤田譲瑠チマ（22＝シントトロイデン）が大会MVPに輝いた。一体感と勝負強さを発揮した日本が、アジア王者として花の都に乗り込む。

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MF藤田が、ピッチ内でのハイパフォーマンスと、大岩ジャパン発足以来初の主将をまっとうして優勝に導いた。前半に退場者を出して大半を10人で戦った1次リーグ初戦の中国戦でプレーヤーオブザマッチの活躍。準々決勝カタール戦は決勝点の起点になり、準決勝イラク戦では2アシストをマーク。そして決勝でも山田楓の得点につながる縦パスを通すなど、ここぞで存在感を示し続けた。文句なしの大会MVP。それでも「うれしいけど、チームとしてもらったみたいな感じなので、個人というよりチームのみんなに感謝したい」。対戦国のメディアから「8番は良い選手だ」「ネクスト遠藤（航）だ」と、分かりやすいアタッカーポジションではなくても警戒されていたことも、その活躍ぶりを裏付ける。

どんな想定外にも対応するため、大岩監督からリーダーに指名された。ベンチにいても、特徴的な甲高い声で指示。盛り上げる声も張り上げた。敗れた韓国戦後には、初めて選手のみのミーティング開催を主導。負けたら終わりの準々決勝カタール戦前に、皆が目線を合わせるきっかけとなった。「個人としてもチームとしてすごく成長した。積み上げたことが出せるようになった」と自信を深めたアジア制覇。56年ぶりの五輪メダルへ、先頭に立って歩を進めていく。