拉致被害者家族が米国から帰国 新たな運動方針「理解得られた」

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面会相手に見せた母早紀江さんの写真を見せながら、訪米中の活動を説明する拉致被害者家族会代表の横田拓也さん=東京都大田区の羽田空港で2024年5月4日午後3時11分、木下翔太郎撮影 拡大
面会相手に見せた母早紀江さんの写真を見せながら、訪米中の活動を説明する拉致被害者家族会代表の横田拓也さん=東京都大田区の羽田空港で2024年5月4日午後3時11分、木下翔太郎撮影

 北朝鮮による拉致被害者の家族会や支援組織「救う会」、超党派議連のメンバーなどの訪米団が4日、帰国した。横田めぐみさん(行方不明時13歳)の弟で、拉致被害者家族会代表の横田拓也さん(55)が報道陣の取材に応じ、訪米先で説明した家族会と救う会の新たな運動方針について「理解を得られた」と述べた。

 訪米は2023年5月以来で、ゼヤ国務次官や前駐日大使のハガティ上院議員らと面会した。家族会と救う会は、拉致被害者の親世代が生きているうちに、被害者の一括帰国が実現するのなら、日本独自の制裁解除に反対しないという新たな運動方針を掲げている。

 拓也さんは運動方針を説明する際、被害者の親世代の高齢化に触れつつ「拉致は時間的制約のある人権問題。一方的に無条件での対話路線に軸足を移したわけではない」と理解を求めたという。面会相手には母早紀江さん(88)の写真も見せながら説明した。

 拓也さんは「私たちの親世代が健在なうちに会えなければ、拉致問題は解決とは言えない」と強調し、運動方針に関しても「言葉遊びではないということを金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記はしっかり受け止めてほしい」と話した。

米国での活動などについて語る拉致被害者家族会代表の横田拓也さん(中央)。右は家族会の事務局長の飯塚耕一郎さん=東京都大田区の羽田空港で2024年5月4日午後3時27分、木下翔太郎撮影 拡大
米国での活動などについて語る拉致被害者家族会代表の横田拓也さん(中央)。右は家族会の事務局長の飯塚耕一郎さん=東京都大田区の羽田空港で2024年5月4日午後3時27分、木下翔太郎撮影

 また、4月30日に活動を停止した、北朝鮮への制裁の履行状況を監視する国連安全保障理事会の専門家パネルについて、代替策の検討も要請したと述べた。【木下翔太郎】

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