特集

米大統領選2024

2024年の次期米大統領選の動きをリポート。

特集一覧

米大統領選まで半年、カギ握る接戦7州で激戦 注目点はどこか

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
刑事裁判のため出廷したトランプ前大統領=米ニューヨークで2024年5月3日、AP
刑事裁判のため出廷したトランプ前大統領=米ニューヨークで2024年5月3日、AP

 11月5日の米大統領選まで残り半年となる。4年前に続いて再び対決する民主党のジョー・バイデン大統領(81)と共和党のドナルド・トランプ前大統領(77)の支持率は伯仲している。両陣営とも勝敗を左右する七つの「スイング・ステート(2大政党の間で支持が揺れる州)」で、重点的に選挙運動を展開している。

ラストベルトはどちらに

 「物価を下げ、賃金を上げ、アメリカンドリームに手が届くことを望むなら、ドナルド・トランプに投票するしか選択肢はない」。トランプ氏は1日、ニューヨークでの刑事裁判の休廷日に合わせて、中西部ミシガン、ウィスコンシン両州を遊説して回った。

 不倫関係を主張する女性への「口止め料」を巡る裁判は4月中旬以降、週3~4日開かれており、トランプ氏も出廷している。選挙と裁判の費用を捻出するため、大口献金者を集めた資金集めパーティーを開く必要にも迫られ、有権者と接する機会は激減している。

 こうした中、重点を置くのが、2016年の大統領選で白人労働者を引きつけ、初当選の原動力を得た中西部などのラストベルト(さびついた工業地帯)だ。バイデン政権で進んだインフレ(物価高)は「増税のようなものだ」と批判し、20年の前回選で敗れたミシガン、ウィスコンシン、ペンシルベニアの3州を奪還しようとしている。

 一方、バイデン氏は、橋やインターネット網などのインフラ整備、雇用創出などの実績をアピールしている。優勢な州で勝利し、さらにこの3州を制すれば、選挙人獲得数は当選ライン(270人)に届く見込みだ。米CNNは「(3州に多い)白人中高年のバイデン氏の支持は20年の水準と変わっていない。非白人の支持離れが懸念される南部や西部の接戦州よりも、(ラストベルトの)3州の方がバイデン氏の勝算は大きい」と分析している。

中南米系の票の行方は

 中南米系の票の行方も焦点だ。「前回、ドナルド・トランプを打ち破れたのは、あなたたちのおかげだ。もう一度、彼をやっつけよう。あなたたちの助けが必要だ」。バイデン氏は3月に西部アリゾナ、ネバダ両州を回った際、メキシコ料理のレストランに立ち寄り、中南米系に支持を求めた。

 両州では中南米系の人口が約3割を…

この記事は有料記事です。

残り1583文字(全文2496文字)

【時系列で見る】

関連記事

あわせて読みたい

この記事の特集・連載

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月