新生・上げ馬神事 新たな道疾走 「動物虐待」批判を受け改善

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多度大社の上げ馬神事で、土壁が撤去されて緩やかになった坂を駆け上がる馬と騎手=三重県桑名市の多度大社で2024年5月4日午後1時2分、兵藤公治撮影
多度大社の上げ馬神事で、土壁が撤去されて緩やかになった坂を駆け上がる馬と騎手=三重県桑名市の多度大社で2024年5月4日午後1時2分、兵藤公治撮影

 人馬一体で坂を駆け上がる奇祭「上げ馬神事」が4日、三重県桑名市の多度大社で行われた。昨年の神事で馬が転倒して骨折し、殺処分されたことをきっかけに批判が相次いだため、今年から坂の勾配を緩やかにし、坂の頂上に築かれていた土壁をなくすなど改善された。

多度大社の上げ馬神事で、壁のような坂を懸命に駆け上がろうとする馬と騎手=三重県桑名市で2023年5月4日、兵藤公治撮影
多度大社の上げ馬神事で、壁のような坂を懸命に駆け上がろうとする馬と騎手=三重県桑名市で2023年5月4日、兵藤公治撮影

 神事は南北朝時代から約700年続くとされ、馬が土壁を越えられた回数で農作物の豊凶などを占ってきた。県無形民俗文化財に指定されている。

 新型コロナウイルスの影響で中止が続き、4年ぶりに行われた昨年、参加した馬の1頭が転倒して骨折し、殺処分された。神事では高さ約2メートルの土壁を乗り越えさせるため、馬を興奮させようと、たたくといった威嚇行為も行われていたため、SNS(ネット交流サービス)上では「動物虐待ではないか」との意見や批判が相次いだ。

 多度大社側は今年から土壁を撤去し、坂を緩やかにするなど改善策を講じて神事を開催。神事に参加した6頭の馬は新たな道をスムーズに駆け抜けた。

 会場では、上げ馬神事に反対する団体のメンバーが馬の顔のパネルや「馬の利用を廃止せよ」「神事は動物搾取の言い訳にはならない」と書かれた紙を掲げ抗議した。【渋谷雅也、松本宣良】

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