権威主義的なハンガリー首相 周辺が欧州テレビ局の買収に関与か

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ハンガリーのオルバン首相=ブリュッセルで4月17日、ロイター
ハンガリーのオルバン首相=ブリュッセルで4月17日、ロイター

 フランスに拠点を置く欧州のニュース専門テレビ局「ユーロニュース」をポルトガル企業が2022年に買収した際、ハンガリーのオルバン政権に近い複数の投資ファンドが関与していたことが、仏ルモンド紙やハンガリーの独立系メディア「ディレクト36」などの調査報道で明らかになった。ユーロニュースの報道内容に影響を与えようとしていたことを示すハンガリー政府系ファンドの内部文書も見つかり、波紋が広がっている。

 ユーロニュースは、ポルトガルの投資会社「アルパック・キャピタル」が22年7月、当時の大株主だったエジプトの資産家から約1億7000万ユーロ(約279億円)で買収した。アルパック社のペドロバルガス・ダビッド社長の父マリオ氏はオルバン首相の親友で、顧問も務めていた。

 アルパック社はユーロニュース買収のためにファンド「EFMI」を創設したが、出資者は明かしていない。同社とオルバン氏との関係から、当時、買収の是非が議論になったが、仏政府は承認した。

 ところが、ルモンド(電子版)などによる今年4月11日の報道で、買収の内実が暴露された。ディレクト36が入手したハンガリーの政府系ファンドSZTAの内部資料に基づき、SZTAがEFMIに4500万ユーロを出資していたことや、オルバン氏の宣伝戦略を請け負う企業「ニューランドメディア」が…

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