パリオリンピック(五輪)の切符を手にしたU-23日本代表が、同ウズベキスタン代表に1-0で勝ち、4大会ぶりの2度目の優勝を手にした。

悪魔の左足が再びさく裂した。選手たちが口をそろえて「人生で一番緊張した」といった準々決勝カタール戦で開始早々の先制点を奪ったMF山田楓喜(22=東京ヴェルディ)が、今度は後半追加タイムにペナルティーアークのやや右側から左足を一閃(いっせん)。ゴール右下に沈めるゴラッソにコメントもさえわたった。

「ああいう試合を決める左足というのは、もう自分で持っているのは分かっていたし、それを出すために準備してきたので、当然だなという感じです」

すでにJリーグで2本決めているFKに注目されがちだが、日々の居残り練習では制止したボールは蹴らないという。「置いているボールというよりは、試合の流れのシュート練をずっと毎日練習している。その延長にFKがある」。その成果が大事なアジア王者を決める舞台で出た。

謙虚な自信家だ。「自信はもう常にありますし、今までやってきたことはうそをつかないので」とうなずく一方で「それはこれからもどんどん続けていきながら、もっと自信をつけていって、結果をまだまだどんどん出していかないといけない。一から頑張ります」と話す。

初戦の中国戦は鋭いクロスで決勝点をアシストを記録し、準々決勝、決勝と大事な場面で結果を残した。大会前の予言通りとなった。「まずはチームの勝利のために自分がどれだけ走れるか。それを忘れず普通に戦っていたら、ご褒美で得点は来るかなと思う」。運動量が求められるサイドでチームのタスクをこなしながら、唯一無二の左足が光った。