【ドーハ=佐藤成】初出場インドネシア(A組2位)が、パリ五輪(オリンピック)アジア最終予選を兼ねた大会の3位決定戦でイラク(C組1位)に延長戦の末に敗れ、パリ切符獲得はお預けとなった。9日にパリ近郊で行われるアフリカ4位ギニアとの大陸間プレーオフ(PO)で、全世界最後の出場権獲得を目指す。

試合後の会見で、申台龍(シン・テヨン)監督は「五輪出場を決めたイラクにおめでとうと言いたい。とてもハードだった。選手たちはベストを尽くした」と語った。

あと1歩、及ばなかった。前半19分にジェンナー(20)が先制点を奪ったが、同27分に失点。相手の猛攻を耐えて延長戦までもつれる熱戦を繰り広げたが、同前半6分に一瞬の隙を突かれて逆転を許すと、そのまま得点を奪えず、力尽きた。

9日のプレーオフに向けて指揮官は「アジアの4チームの出場権がほしい」と本音がポロリ。さらに「よりよりチームに成長していきたい。出場切符獲得に全力を注ぎたい」と前を見た。この日キャプテンマークを巻いたハブナー(20=セレッソ大阪)のプレーオフ出場については「現時点では100%確信があるわけではなく、真剣に検討するのは難しいかもしれません。彼が行けるかどうかは言えません。現時点では難しい」と厳しい見通しを明かした。

かつて韓国代表を率いたシン監督の下、インドネシアはオランダ出身の国籍取得選手などを積極的に選出し、カタール、オーストラリア、ヨルダンと同居したA組を2位で突破。準々決勝では、五輪9大会連続出場中だった韓国をPK戦の末に破る番狂わせを演じた。熱狂的なサポーターの応援も味方につけて4強入りの快進撃で、大会のダークホースとして話題の中心となっていた。