ソフトバンク和田毅投手(43)が帰ってくる。2日、今季初の1軍登板日が6日の日本ハム戦(みずほペイペイドーム)に決まった。左手中指マメの影響などもあり、開幕から1カ月以上の2軍調整。前回登板の4月27日ウエスタン・リーグ阪神戦(タマスタ筑後)で7回2失点、計12奪三振と完全復調した。この日は1軍本拠地で投手練習に参加し、自身の“開幕戦”に向けて調整。首位攻防戦のカード頭での先発へ気合十分だ。

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真っさらな1軍マウンドに背番号21が戻ってくる。本拠地で投手練習を終えた後、ベテラン和田が強い決意を口にした。

「信頼を得られるような投球をしたい。悔いのないように、1球1球気持ちを込めて投げていきたい」

焦りを押し殺し、もがき、自らと向き合い続けた。左手中指マメの影響などで内定していた開幕ローテを回避。さらに左足親指裏のマメがむけるなど、不運なアクシデントの連続だった。それでも4月27日の2軍阪神戦で7回を2失点。112球の力投で計12奪三振もマークした。

「1つ1つ改善していく。その積み重ねで良くなった」。直球にキレが戻り、倉野1軍投手コーチが「100%の状態になりつつある」と判断。1日に1軍復帰のGOサインを出した。和田は「自分でも手応えをつかんでいる状態で投げていた。首脳陣の方もそこを判断してくれた」。今季初登板へ万全を期して臨む。

自身の“開幕戦”は6日の日本ハム戦に決定した。2位チームとの3連戦カード頭で重要な一戦にもなる。「チームの状態もいい。先発も長いイニングを投げていますし、自分もそういう投球ができれば最高です」と力を込めた。

チームは7連勝するなど首位を快走する。打線だけでなく先発、中継ぎと投手陣も安定。チーム防御率2・19、65失点はパ・リーグトップの数字だ。「今年初登板ですけどいつ投げても大事な登板に変わりない。意味ある球を投げていきたい」。今度は自らチームを引っ張るつもりだ。

鷹党の誰もが復帰を待ち望んでいる。和田自身も、そんな空気はヒシヒシと感じている。

「ファンの皆さんの前で投げるのが自分の仕事でもあるので。1軍で投げられなかったのは悔しいですし、申し訳ない気持ち」

今季でプロ22年目。昨季は8勝を挙げ、長年ホークスを支え続けるサウスポーへの期待は大きい。ファンの思いも胸に、約1カ月遅れで24年シーズンの幕を開ける。【佐藤究】

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