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自民党の政治資金パーティー裏金事件で、清和政策研究会(安倍派)から寄付されたパーティー券収入のノルマ超過分を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、政治資金規正法違反容疑で告発されていた萩生田光一前政調会長(60)と世耕弘成前参院幹事長(61)について、東京地検特捜部は2日、不起訴処分(容疑不十分)とした。キックバック(還流)を受けていたとされる議員に対する不起訴処分は初めて。
特捜部は、両議員のほか、両議員の事務所関係者計4人について「告発事実を認めるに足りる証拠を集めるに至らなかった」と判断した。一方で、当時の萩生田氏の秘書と世耕氏の政治団体の会計責任者については同法違反が成立するとしつつ、起訴を猶予した。
刑事告発をしていた神戸学院大の上脇博之教授は検察審査会に審査を申し立てる方針。検察審が「起訴相当」や「不起訴不当」の議決を出せば、特捜部は再捜査を迫られることになる。
上脇教授はパーティー券収入を裏金化していたとされる議員を順次告発するとしている。自民の調査では、キックバックを受けたり、事務所でプールしたりしていたとされる議員らは80人を超える。
告発状によると、萩生田、世耕両議員の政治団体は2018~22年の収支報告書にそれぞれ計約2700万円、計約1500万円の安倍派からの収入が記載されていなかった疑いがあるとしていた。
特捜部は24年1月、収支報告書に収入と支出をそれぞれ計約6億7000万円少なく記載したとして、安倍派会計責任者の松本淳一郎被告(76)を同法違反で在宅起訴。ただ、萩生田、世耕両議員を含む安倍派の幹部議員7人については、松本被告との共謀が認められないとして立件を見送っていた。
世耕氏は4月、事件を巡る党の処分として離党勧告を受けて離党した。萩生田氏は「党の役職停止1年」を科された。【安元久美子】
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