東京・歌舞伎座で2日、「團菊祭五月大歌舞伎」(26日まで)が初日を迎えた。明治の名優、9代目市川團十郎と5代目尾上菊五郎をたたえる吉例興行。

昼の部「毛抜」は、昨年亡くなった市川左團次さん追善演目で、主人公の粂寺弾正をつとめた長男男女蔵(56)について、尾上菊五郎(81)は「お父つぁんにだいぶ似てきましたね」と話している。菊五郎は左團次さんが演じた粂寺弾正を振り返り「滑稽なせりふを真面目に照れずに言うところに、色気が出たのだと思います」などと話している。

同演目では市川團十郎(46)が後見を務めた。「左團次さんは、いつも市川宗家のためにどうあるべきかを考え、父や私に接してくださいました。左團次さんへの感謝の気持ちを込めて、ご恩返しの気持ちでつとめたい」と話している。

昼の部はほか「鴛鴦襖恋睦」「幡随長兵衛」、夜の部は「伽羅先代萩」「四千両小判梅葉」。