天然素材の味わい深く 「足利の藍染」3、4日に4年ぶり個展

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風間さん(左)と浅葱(あさぎ)や紺などさまざまな藍色の作品が並ぶ展示会場=2024年4月30日午後2時6分、太田穣撮影 拡大
風間さん(左)と浅葱(あさぎ)や紺などさまざまな藍色の作品が並ぶ展示会場=2024年4月30日午後2時6分、太田穣撮影

 蓼藍(たであい)や木灰、小麦の皮など自然の中の材料を使い、木綿や麻など天然素材を染める栃木県の伝統工芸品「足利の藍染」を手掛ける足利市伊勢町の染め師、風間幸造さん(59)の個展が3、4の両日、同市名草中町のカフェ「and NYC」で開かれる。コロナ禍のため4年ぶりで、ワンピースやストールなど約70点を展示、販売する。

 風間さんは、着物の型染めをしていた家業の廃業後、同市小俣町の工房で藍染めを修業。2011年に独立し、工房「藍絽(あいろ)座」を開いた。化学的に合成された染料や還元液を一切使わない天然藍にこだわった創作を続ける。

 18年に藍染め作品が県の伝統工芸品に選ばれ、翌年に県伝統工芸士に認定された。市内北部の名草地区で農家や地域おこしグループ、福祉団体と連携し、藍の栽培や収穫後に発酵させるすくも作りなどに取り組み、藍染め体験会も開いている。

 今回は、絞り染めのワンピースやチュニック、Tシャツなどの衣服、ストールやハンカチ、ネックレスなど衣料雑貨など新作を中心に展示。染め液の濃淡や染めの回数によって発色に違いがあり、さまざまな藍色のバリエーションを楽しめる。また、秋田県仙北市角館地区の桜皮細工で使われる山桜で染めたTシャツも出品した。

 風間さんは「この4年で地元での藍づくりが軌道に乗り始め、地元産の染め液を使った作品も出品できた。佐野市産の高品質のすくもに出会うなど分業の手応えも感じている」と話している。両日とも午前10時~午後4時。木綿など天然素材の衣料などの染め替えも受け付ける。問い合わせは風間さん(090・9103・5572)。【太田穣】

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